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起業家インタビュー | 私がここで起業したワケ

私がここで起業したワケ|株式会社つなぐ 原田直信

株式会社つなぐ 原田直信さん

宮城県に移住した先輩起業家を紹介するコーナー「私がここで起業したワケ」。

第3弾は、民間企業を退社して2か月ほど前に女川町で起業した「株式会社つなぐ」の原田直信さんをご紹介します。

子供たちの生きる力を養うプログラムを提供している原田さん。なぜこういった事業を行おうと思ったのか、そして、なぜその地として女川を選んだのかを伺いました。

プロフィール

2013年にロート製薬㈱に入社。福岡、沖縄、東京で営業を経験。その後、東日本大震災の遺児を対象とした奨学基金「公益財団法人みちのく未来基金」に出向。更に出向中に女川町とロート製薬、NPO法人アスヘノキボウが連結協定を結び始まった「女川健康プロジェクト」にも従事。その後ロート製薬を退社後、「株式会社つなぐ」を設立。キャリアコンサルタント兼産業カウンセラーとして中小企業の従業員に対してメンタルヘルスのサポートを実施。また、子どもたちのスポーツを通じて生きる力を養う「総合スポーツスクール」を開校し運営している。

株式会社つなぐでは、どのような事業を行っているのか教えてください。

女川町の保育園と小学校で、スポーツを通じて非認知能力を高めるプログラムを提供しています。非認知能力とは、コミュニケーション力や共感力、自尊心などを指す、総合的な人間力のことです。様々なスポーツを通じて、子供たちのこの能力の成長を目指す「biima sports(ビーマスポーツ)」という総合スポーツスクールとパートナーシップ契約を結び、女川校と石巻校の運営もしています。

他にも、中小企業の方々に対してメンタルヘルスサポートを提供しています。ただ軸となっているのは、あくまでも子供たちを対象としたプログラムの運営です。

なぜ起業されたのですか?

前職のプロジェクトを通じて子供たちと触れ合っているうちに、子供が好きなんだと気付いた事が一つ。そしてその子供たちが、自信や行動力がなく、自己肯定感が低いところが目立つように感じたことがもう一つです。このような目に見えない力、いわゆる非認知能力や生きる力と呼ばれるものはとても重要だと思うので、これを鍛えられる仕事がしたいと思いました。

非認知能力が重要だと考えたのには、何かきっかけがあったのですか?

これも、なぜ起業したのか?という質問に関わってくるのですが、前職で医薬品の営業をしていた時「自分自身が、自分らしく生きられていないなぁ」と感じ、その原因が生きる力が備わっていないことだと気付いたのがきっかけです。

6年間営業の仕事をしていましたが、いまいちやりがいを感じることができず、悶々としていました。そこで、なぜ自分は悶々としているのに、具体的に何も行動できていないのかと考えた時に、自分に、行動力や考える力=非認知能力が備わっていなかったからだと思ったんです。

自分に欠けていたであろう非認知能力が鍛えられるのは、小学校までの時期だというエビデンスを見つけ、この土台となる期間に子供たちと関わり非認知能力を上げられれば、自分らしく生きられる大人も増えていくんじゃないかと思いました。

女川を起業の地に選んだ理由を教えてください。

小さい町だからこそ、すべての子供たちにアプローチできる場所だったからです。

実は最初は、地元の大阪で、今行っている事業とは違うキャリア教育をやろうと思っていました。しかしまず、都会の学校を巻き込んで事業を行うことの難しさに直面しました。役場に話を持ちかけてもなかなか進まず、公立の学校に入り込むことは難しい。けれど塾のような形でこの事業を行っても、富裕層や教育熱心な親御さんを持つ子供にしかプログラムを提供できないのであれば、そのインパクトは少ないと感じる。自分はあくまで、多くの子供たちに平等に機会を提供できる、学校教育の中で提供したいと考えました。

そんな時、女川の学校の元教頭先生にたまたまお会いしたんです。そこで「僕は学校教育の中でこういうことをしたいんです」とお話したら、女川でならやれるチャンスがあるかもね、と言っていただきました。というのも、今女川には保育所が2つと小中一貫校が1つしかないので、この地域の子供たち全員に接するチャンスも十分あるからです。そう気づくと、ここならやりたいことが出来そうだ、と思えました。実際に、保育所を訪問し「こういうことをやりたいです!」と話したら「子供たちが喜びそうだし、やってみたいね」という言葉もいただきました。

(小中一貫教育学校である女川町立女川小・中学校)

ただ、学校関係者や役場にキャリア教育について提案しに行って聞こえてきたのが「どれだけ子供たちのためになるのか。これは女川町の課題なのか。」という声。キャリア教育を通じて生きる力を伸ばしたいと思っていましたが、自分にはキャリア教育以上にできることがあるのではないかと思い、考え直すことになったんです。

そこからどのようにして、スポーツと非認知能力向上を掛け合わせた事業が出来上がったのでしょうか?

起業して良かったこと、大変だったことを教えてください。

良かったことは、自分らしく生きられるようになったことですかね。大変だったことは…特に思いつかないですね。確かに、全てを自分でやらなければいけないことは大変ですが、いろんな方がサポートしてくださいますし、自分のやりたい事業のためだと考えると、そんなにつらくない。自分が「まぁ何とかなるだろ!」って思いがちなところも影響しているかもしれませんが(笑)。

最後に、これから起業したい人に向けてメッセージをお願いします。

やりたいと思ったタイミングで動くこと。あとは、発信することが大事だと伝えたいです。

自分は案が固まっていない状態でも、とにかくこういうことがやりたいんだ、と近くにいる人に話していました。そうすると、人や団体を紹介していただけたり、役場に話を通していただけたりすることがあって、とても助かりました。

「これが実現したいんだ」と発信し続けて、熱量の高いタイミングで行動に起こしていく。こうして、いろんな人がやりたいことのできる社会になれば嬉しいです。

いかがでしたか?

やりたいと感じたことに突き進み、退職して起業という道を選んだ原田さん。これから女川でどのような事業が展開されていくのか、とても楽しみになるインタビューとなりました。

株式会社つなぐ

【連絡先】

Eメール:haradanao0602@gmail.com

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