岩沢さんの事業内容を教えてください。

宮城の食材を活かした菓子製造販売業を行っています。
お店は多賀城駅から歩いてすぐの場所で、「菓子屋糸」という名前です。

今回このお店を始めるに当たって、色々なご縁が繋がってお店を開けることになったので、今までのご縁をこれからも大切に、そして、お店を作ってからも新しいご縁があるといいなあ、と思い、それを「糸」という形で名前にしました。

生まれは福島県ですが、その後宮城県に長く住んでいます。
一時期JAで働いていて、農家さんと交流させていただく機会が何度もあり、「野菜や農産物っていいな」と思いました。同時に、小さい頃からお菓子を作ることが好きで、仕事としてやりたいという思いもあったので、自分の「好き」をどちらも満たす、東京にある野菜ケーキ専門店で働くために上京しました。

そのお店では8年半位働きましたが、東京で働いていく中で「昔、繋がりのあった農家さんはどうしているかな」「知っている農家さんの作る作物で、自分がお菓子を作ることができたらいいな」という思いが芽生えてきました。いつか宮城に戻って、そんなお店を開きたい、という思いをかたちにできたのが、このお店です。

今のお店の場所も、つながりがあって選ばれたのでしょうか。

はい。多賀城は友達もいて土地勘もありました。仙台市内やその他いろんな場所で物件を探していく中で、最終的には自分が昔から知っている場所で、一番いいと思った場所を選びました。

いろんな物件を回って、最終的に今のお店に決めるまではだいたい2ヶ月半くらいかかりました。コロナ禍だったので、実際に現地まで行って見て、という機会は本当に少なくて、インターネットで結構探しました。

岩沢さんの作るお菓子の特徴を教えてください。

アレルギーを持っている方も知り合いに多いので、アレルギーに対応したお菓子を作りたかったので、グルテンフリーのものが多いです。また、お菓子に使用している牛乳や卵は宮城県産です。その他の食材もなるべく宮城県産のものを選ぶようにしています。

今後は、ナッツを入れないお菓子も増やしていきたいです。
全部のアレルギーに対応するお菓子を作るのは難しいので、「小麦粉のかわりに米粉を使っています」「ナッツを使っていません」「卵を使っていません」という商品を1つずつでも増やしていきたいと思っています。

お店をオープンして、よかったこと・大変だったことを教えていただけますか。

よかったことは、私はずっと、お菓子を作る側、製造の仕事ばかりをしていたので、お客様とお話することがほとんどありませんでした。今は接客も私がやっているので、ご購入してくださる方のお顔やお話も聞けたり、お菓子の感想も直接いただけて、作っていてとても励みになりますし、やりがいがあります。

大変なことは、接客から販売、お菓子を作るのも1人なので、毎日本当に必死です（笑）

今後、お店をこんな風にしていきたいな、という目標はありますか。

イートイン・カフェをやっていきたいな、と思っています。
お客様からやってほしい、というご希望の声も多くいただいています。遠くから来られるお客様にも、ちょっと立ち寄ったお客様にも、カフェでほっと一息ついていただけたらいいな、と思うので、カフェはやりたいと思っています。

これから起業を考えている方に向けて、何か一言をお願いします。

起業する一歩を踏み出すまでは、すごく勇気がいると思います。

起業してみたその先は、自分でも想像がつきませんでしたが、やって良かったと思える嬉しいことが沢山ありました。

いいこともわるいこともありますが、それでもやってみないとわからないことが沢山ありますので、「あの時やっていれば」よりは「やってみてこうだったな」と思える、その一歩を踏み出すことをおすすめします。