きかくやさん 今野 美智子さん

宮城県に移住した先輩起業家を紹介するコーナー「私がここで起業したワケ」。
第8弾は、きかくやさんの今野美智子さんをご紹介します。
web集客やwebマーケティングをはじめ、【自分の好きなこと】と【今まで経験した分野】の組み合わせで起業された今野さんに、事業のお話しや今後のこと、これから解決したい地域課題についてお話しをうかがいました。

プロフィール
専門学校でインテリアデザイン・店舗設計を学ぶ。
学生時代のアルバイトから店頭プロモーションに興味を持ち、小売業に対するプロモーションの企画営業に就職、仙台営業所と新規事業の立ち上げを経験。大阪にある老舗通販会社のコールセンターSVや通販会社の事業企画部を経て退職。
出産子育ての後、web制作会社に勤務。webマーケティングやコンテンツマーケティングのディレクター行に従事。2021年4月に仙台へ移住し、2021年9月に個人事業主として独立、現在に至る。

今野さんの事業の内容を教えてください。

主にwebマーケティングの事業を行っています。
webマーケティングの会社、とはいっているものの、webサイトやLP(ランディングページ)を作るような制作会社さんとは違い、お客様のご要望を聞いて最適なプランを提案するコンサルティングのようなお仕事をさせていただいています。
例えば「ウェブサイトを作ってほしい」というご依頼をいただいた時は、「はい、やります」と二つ返事で引き受けるのではなく、施策ありきになっていないか、「本当にそれって必要なことでしょうか?」と、お客様の現状を伺ってみます。webサイト制作は金額が大きく、会社としては売上になるので嬉しいお仕事ですが、お客様がすでに運営しているウェブサイトやコーポレートサイトを最適化することで対応できる場合も多々あります。また「新しいサービス用に別途サービスサイトを作りたい」「オウンドメディア(自社メディア)サイトを作りたい」というご依頼をいただいた時も、自社のウェブサイトがあるのに、新規サービスのサイトだけ別にしますか?今あるサイトの中にオウンドメディアを作ってみるのはどうですか?などその企業や商品にとって一番最適な方法を提案するwebマーケティングやさんのようなイメージですね。


会社名は「きかくやさん」です。横文字でかっこよく!といろいろ考えたのですが、「何のお仕事をやってるの?」と聞かれた時に、「企画屋さんです」ってシンプルに伝えたら皆さんから評判が良くて、そのまま会社名にしました。

なぜその事業で起業されたのでしょうか。

20代から地元の宮城を離れていたので、自分ができることで地元に貢献したいなっていう思いがあったこと、あとは自分の生活の節目が重なりました。こちら(宮城)に帰ってくることは決めていたのですが、いろんなタイミングが重なって帰仙し、元々祖母がお店をやっていて、生粋の商売人である大好きな祖母にあやかり、実家である店舗を自分の事務所にして起業しました。
今の事業で起業した理由は、自分のできること・好きなことでないと続かないと思っているからです。【好きなこと】×【今まで経験した分野】の組み合わせだからこそ、楽しく仕事ができるかな、という思いがあります。なので、お受けするお仕事はあえて領域を決めずに、web集客やwebマーケティングの仕事が多いですが、紙媒体も実は得意です。プロジェクトマネージャーやディレクション業務もやります。一番得意なのはディレクター職ですが、今は手を動かすマーケティングのお仕事や業務改善の提案、営業支援のサポート業務も多くさせていただいています。
どの分野のお仕事でも、自分がいなくなった後も、その会社の方々がスムーズに仕事をできるかどうか、が私の力量にかかっている、と思っています。なので、サポートさせていただく時点で、自分の業務を次の方へ引き継ぎする時を見据え、誰が見てもわかるようにアウトプットを残す、ということを意識しています。

起業して良かったことや苦労したことはありますか。

お客様への提案を考えながら「これができたらすごい楽しいだろうな」とか、自分がワクワクする仕事をできるようになったことが、起業してよかった点です。
あと一番は、ストレスが無くなりました。
社内の顔色をうかがいながらお客さまへ提案したり、上司に承認をもらったりといった事がなくなったので、責任がある反面自由度が上がり、ストレスフリーに繋がっているのではと思います。
一番苦労しているのは営業です。お客様の営業戦略はいくらでも考えられるのに、自分の営業戦略を立てるのは苦手です。見込み顧客獲得も含め、直接リアルな商品が売上につながるお仕事ではないですし、大きい仕事を取れたとしても1人では捌けないし、昔みたいに足を運んで「どうぞお願いします」って取ってくる仕事でもないですし。
webマーケティングを業務内容にしているからには、広告を回して集客することも考えましたが、現状は弊社サイトにたどり着いてお問い合わせをいただいたお客様とお仕事をご一緒しています。営業スタッフの代わりに、得意なコンテンツマーケティングの知見を活かし、自社サイトやInstagramなどに定期的に記事コンテンツを作成して、情報発信させていただいています。


解決したい地域課題はありますか

「地域課題」については、「いろいろリテラシー」の向上です。
例えば、DXにしても(DXというキーワードだけで引かれてしまう方も多いのですが)例えば、無料ツールを知っているのと知らないのでは、業務効率に差が出ると感じています。いまあるものを変えるのではなく、より最適化&効率化することをサポートしていきたいですね。
「DXだから全部システム入れたらいい!」じゃなくて、「それを解決するならA、B、Cとある。あなたの業種だとこういうのもある」「高価なシステムをいれなくても、今ある無料ツールで解決できますよ」みたいな
。
ツールありきになると、ツールに振り回されますが、そうじゃなくて、普段やっているように、お客様のニーズを聞き取ってそこに最適なツールを提案するという方法で、それぞれ企業や個人の方が抱えている困りごとを解決していきたい、と思っています。
今考えていることがもう一つあって、自分自身の経験と地元に戻ってきたからこそ考えたいことがあります。それは、高齢化問題についてです。
とても大きな課題ですが、高齢者のフレイル(身体・認知機能の低下が見られる状態)や孤立などが社会問題化していますが、団塊の世代の方々が後期高齢者になり人口的に増えています。その方々のサポート、地域の中での繋がり、子育て世代とのコミュニケーションなど、何か私にできることから始めていきたいと思っています。

今後の展望や、これからこんな風に事業を進めていきたい、ということがありましたら教えてください。

今現在サポートさせていただいているお仕事をベースとしていきつつ、サービスメニューを増やしていきたいと考えています。
短期的な目標としては、自分の得意とする「企画」の部分をサポートするお仕事を増やしていきたいです。
例えば、2ヶ月間・5回の打ち合わせで、その企業様のホワイトペーパーや営業資料の作成を請け負うサブスクリプションサービスを検討しています。ただ、そのサービスを実施するとなると、その会社の事業や業界に対する調査をして、コンテンツの企画とはまた違う労力を使うようになるので、ちょっと時間が足りないな、とか、デザインを依頼するにも依頼した分出ていくようになるな、と考えると、得意の業種だけに絞ったらいいか、と、いろんなことを知っているが故に営業ができなくなったりもします。でも「この業種は面白そうだから、金額は関係なくやりたい」というせめぎ合いはいつもあります。
中長期目線では、「企画」をベースとした「営業サポートサービス」などができたらいいと思っています。営業が苦手な方って結構多いので、そこをDXの力と地域の特性などを踏まえてサポートする事業を考えています。その中に高齢化問題のエッセンスが入れられないかなと、企画検討中です。

これから起業したい人に向けて、何か一言お願いします

私の性格かもしれませんが、「動いた方が勝ち」のようなところがあります。
自分が動くと情報も入ってくる気がします。そして、安定を求めていると何も変わらない気がします。悩んでいる時間があれば、一歩踏み出すことが必要なんじゃないかなと思います。自分の強みがあるなら、そこで1回でやってみたらいいんじゃないかなと思います。
宮城県で起業しようと思ったら、私でよければ相談に乗ります。
起業する時って、すごく小さなことで悩んじゃうと思います。
名刺やロゴはリーズナブルなサービスで作れると思いますが、その前段階の「見せ方」や、プレゼン資料を一から作る事が得意分野なので、どうぞ相談してください!
中長期目線では、「企画」をベースとした「営業サポートサービス」などができたらいいと思っています。営業が苦手な方って結構多いので、そこをDXの力と地域の特性などを踏まえてサポートする事業を考えています。その中に高齢化問題のエッセンスが入れられないかなと、企画検討中です。
困った時に頼れる安心感。
こんな先輩が、宮城県では起業しています。
きかくやさん webサイト:https://k-kikaku-office.com/
きかくやさんInstagram https://www.secure.instagram.com/kikakuyasan/