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起業家インタビュー | 私がここで起業したワケ

私がここで起業したワケ|タビスルカヌレ 佐久間久仁子

菓子屋糸 岩沢沙耶花さん

宮城県に移住した先輩起業家を紹介するコーナー「私がここで起業したワケ」。

第6弾は、東京から移住し仙台市で起業された『タビスルカヌレ』の佐久間久仁子さんをご紹介します。

フランスボルドー地方の焼菓子、カヌレ・ド・ボルドーを製造する工房を2022年3月にオープン。塩竈の藻塩や富谷のブルーベリーといった地元食材を使ったカヌレは、ウェブからの注文で全国へ旅立って行きます。工房を切り盛りする佐久間さんに、起業に対する思いや宮城県で起業した理由を伺いました。

プロフィール

東京で旅行会社、航空会社在職中に海外の食文化に多く触れた経験から、製パン講師業務を経て、東京の人気パン店にてレシピ開発に従事する。
夫の転勤に伴い宮城県に移住し、2022年3月カヌレ専門焼菓子工房「タビスルカヌレ」を起こし、みやぎの食材を用いたオリジナルのカヌレ作りに挑戦している。

佐久間さんの事業内容を教えてください。

カヌレ専門の焼菓子工房でカヌレを焼いています。7割がカヌレの卸での製造、残りの3割はウェブ販売をしています。

卸先は、東京にいる時に勤めていたパン屋さんと、仙台市内のカフェさんです。
東京のパン屋さんは、もともと私が東京にいた時に勤めていた会社です。当時はパンだけでなく焼菓子も担当していました。私がいなくなると、それらの作業をできる人がいなくなる、それでは困る・・・ということで「じゃあ私が作るものを卸すのはどうですか?」と提案し、今のスタイルになっています。

▲「タビスルカヌレ」ウェブサイト

宮城で起業することになったきっかけを教えてください。

主人の転勤をきっかけに、一緒に引っ越してきました。

東京に残っていてもいいかな、という気持ちもありましたが、それだと今の延長で何も変わらないな、とも思っていて。「私もやりたいことがあるので、一緒に行きます」と、転勤に背中を押される形で移住してきました。

2021年の5月末くらいに「こんなのがあるみたいだよ」と、主人が「みやぎUIJターン起業支援補助金」の記事を持ってきたんですよね。「起業の裾野を広げて、幅広くサポートがされているんだ!」と、気軽に応募してみようかな、と募集要項を読んだら・・・とっても志の高い先輩達がたくさんいらっしゃって、私のようなふわっとした考えて応募してもいいものだろうか?と悩みました。

ただ、事業概要を作っていく中で、どんどん自分のやりたいことが明確になってきました。起業支援事業に応募したことが、自分を育ててくれたんだな、と思います。

宮城へ移住してきて、どんなことを感じていますか?

主人が仙台出身で、東京にいる頃から主人の実家から色々な食材を送ってもらっていたので、食材が豊富で美味しいのは知っていました。なので、カヌレの素材としても、その中でもメジャーなものを使っていけば間違いないだろうな、と。

実際に引っ越してきて住んでみたら、想像以上でした。
美味しいものばかりで、それが東京には全然行かないものばかり。東京どころか、他の地域にはほとんど出ていかないんじゃないか、というものばかりです。

そうは言っても、美味しいものはぎりぎりまで育てて出荷したい、というのが生産者さんの思いです。とはいえ、出荷した後にお客様がすぐ買ってくれるわけではなく、時間が経てば品質が下っていく。そういうものをわざわざ遠方まで届けて輸送コストをかけて、値段を高くして売る、それよりは、美味しいものを収穫して、それを食べてもらえればそれでいい、そういう思いの生産者さんが多いのも事実です。

以前は全国の、美味しいもの、旬のものをピックアップして発信していました。ただ、借り物で商売してるような気持ちでした。地元のものに愛着を持ってやっていく、が東京ではできなかったんですね。

宮城に来たら、地のものを使って「こんな美味しいものができます」をやる自信がありましたが、予想を超えたはるかに多くの素敵な食材と出会って、やりたいことがいっぱいです(笑)生産者さんとお話しをすると、他の地域の特色を教えていただいたり、「**(地名)の**さんはこんなことやってるよ」と横の繋がりでお話しを伺って・・・と、とっても広がっていて、やりたいことが山のように出てきています。

地域に伺って、関わっている方とお話しして、それをわたしがカヌレに生かしていくか、を考えていて、とてもやりがいを感じています。

今後の目標や目指していることはありますか。

実は大きな野望があって、いろんな市町村をたずね歩いて、そこの特産物を使って他の県にはないカヌレができた時に、それをふるさと納税に使ってもらいたいんです。

私がふるさと納税をする時には、自然災害で大変だった地域を応援したい気持ちがあって、納税先の自治体を選んでいます。応援している気持ちと、結果としてそこの特産物をいただく仕組みですね。その中に「この町で取れる◯◯を使って、美味しいカヌレができました」と、私の焼くカヌレをふるさと納税の返礼品に使ってもらえたら、もうこんな幸せなことはないなと思って。それが私の夢です。何年かかっても、実現したいですね。

これから起業したい人に向けて、応援のメッセージをお願いします。

県外から移住する方は特にですが、宮城県は地震の多い県なので、そこに行くということに対して心配されることも多いと思います。私の場合は主人の実家が宮城にあり、何かあった時に自分たちがすぐ行けないジレンマをずっと抱えながら仕事をしていました。今は移住してたことで自分も実際に体感していますし、何かあっても駆けつけられる距離にいるので、そういったジレンマは解消されました。みなさん対策をしながら生活されているので、それを肌で感じて、工房の設置も「揺れたら危ないからここを補強しよう」「壊れやすいものを上に置かないようにしよう」とたくさん工夫をしました。実際私も、心配して引き留める方はいらっしゃいました。でも「対策をしながらやっていくから、大丈夫だよ、心配しないで。」と伝え、みなさん理解して、応援してくれました。

移住をして、飛び込んで来る気持ちがあるとしたら、そこの場所の方と一緒に相談しながら、起業する場所作りをされるといいんじゃないかな、と思います。

▲国境のない海を泳ぐウミガメのように、カヌレを色んな所へ旅させたい思いからデザインして頂いた「カメレ」

移住して、その地のものを食べて過ごし、その地の人と交わってできあがる佐久間さんの「タビスルカヌレ」。これからも様々な食材を発見し、カヌレができあがっていくのが想像できます。

そんな佐久間さんのカヌレは、ウェブサイトで購入できます。
タイミングがよければ、チーズケーキもあるかも?!ぜひ読者のみなさまも購入されてみてはいかがでしょうか。

タビスルカヌレ

ウェブサイト:https://tabicannele.base.shop/

Instagram:https://www.instagram.com/tabisuru_cannele/

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